どこの国のローファーを買うべきか
結論から言うと
国で選ぶべきではなくで、「自分が買おうとしてる靴」についてしっかり理解することが大事だよね。
ローファー(というか革靴)について国別の特徴についてよく書いてあるけど
- その国でもいろんなブランドがあるから一概に言えないよね
- ブランドの中でもいろんな靴作ってるからやっぱり一概に言えないよね。
- よほど靴好きでなければ買うのは1足か2足だよね。
とはいえ、各国の特に有名ブランドにおいて傾向はあって、その傾向は↓みたいな感じだよね。
- イギリスはグッドイヤーに拘ってて保守的。
- イタリアはマッケイはあるけど意外とグッドイヤーも多いよ。ノーズは長めだね。
- フランスは完成度高いけどパラブーツみたいなのもあるし意外と実用性に振ってるのもあるね。
- 日本人向けの木型が多いのは当たり前だけど結構攻めてるのもあるよ。
※個々のブランドについては言及しません。
詳細は以下
はじめに
革靴についての情報を調べていくとしばしば「国毎の特徴」について言及されることをよく見かけます。
- イギリス靴は伝統的
- イタリア靴は前衛的
- フランス靴は洗練されている
- 日本靴はフィット感がよい
こうした言い方には、
まったく根拠がないわけではありません。
ただ一方で、
「だから〇〇国の靴を選べばいい」
という話になると、少し雑になってしまうとも感じます。
各国の靴にはそれぞれ思想がある
ある商品やサービスは当然にその国(地域)の生活や文化、「その商品に何を求めてきたか」という価値観に強く影響を受けます。
革靴においても各国で思想が異なり、それが製法やデザインの違いに現れています。
イギリス:伝統と堅牢性
イギリスの靴文化は長く使えること、普遍的であることを重視してきました。
- 流行に左右されにくい形
- 堅牢な製法
- 落ち着いた佇まい
こうした思想は、
丸みのあるトゥや、重心の低いシルエットなどに表れやすく、
特に革靴の聖地であるノーザンプトンのブランドではグッドイヤーウェルト製法に拘る傾向が非常に強いです。
グッドイヤーウェルト製法自体はアメリカの合理性、大量生産という文化から、機械で縫い付けるために生まれたものにも関わらず、
「長く使えること」というイギリスの価値観に合致し、彼らの拘りになるまで受け入れられている点は個人的に面白い点だなと思います。
個人的には革靴好きとしての一つの憧れであり、王道。という印象です。
イタリア:美しさと表現
イタリアでは、
見た目の美しさやエレガンスが非常に重要視されてきました。
- シャープなライン
- 軽快な履き心地
- 歩いたときの見え方
その結果、
細身で色気のある靴が多くなりやすく、トゥはスクエアで、長くなる傾向にあり、
製法としては一般的にマッケイ製法が多く使われることが多いと言われています。
、、、とはいえ、本格革靴を作るメーカーではグッドイヤーも多い印象です。グッドイヤーではあるものの、見た目にはコバの張り出しは少なくシャープなラインを維持しているように思います。
個人的には日本にはイタリアの表層だけ捉えたイタリア”風”の安い下品な靴が多く、なんとなくダサい印象を持たれがちな気がしてますが、
スーツに合わせた時のあのセクシーさは特有なものではないかと思っています。
フランス:洗練とバランス
フランスはファッションの世界では、より先進的でモードな印象が強いというのが世間一般的な評価かと思いますが、
こと革靴の世界においてはそのイメージはイタリアが印象としては一歩先を行き、フランスはイギリスとイタリアの中間に位置づけられることが多いです。
- 伝統を尊重しつつ
- 造形には洗練を求める
極端に重くも、軽くもならない。
全体のバランス感を大切にする思想が、革靴に表れている印象があります。
また、フランス産のとある超有名ブランドからもわかるように実用性に振りつつも洗練されたブランドもあり、バリエーションに富んだ国かと思われます。
アメリカ:合理性と実用性
アメリカの文化はやはりヨーロッパとは少し違った視点があり、革靴もその文脈で発展してきました。
- 日常で使うこと
- 実用性
- 合理性
上記のような特徴により、現代の本格革靴の基本ともいえるグッドイヤーウェルト製法が産まれましたし、
その実用性を求める国民性?から「怠け者」という名を関し、本ブログの主題でもありますローファーを産み出した国でもあります。
※ローファーの起源は北米の先住民の伝統的なモカシンという靴の製法から来ており、単に実用性を求めたことから産まれたと一概には言えません。
- ゆったりしたラスト
- 履きやすさ重視
- カジュアル寄りの雰囲気
という特徴を持つ革靴が多く、「気軽に履ける革靴」という性格が強く出る傾向があります。
日本:フィット感と安心感
日本の靴づくりは、
日本人の足に合うことを強く意識してきました。
- 甲高・幅広への対応
- 初日から履ける快適さ
- 実用前提の設計
その結果、
クセが少なく、安心して履けるローファーが多い一方で、
欧州靴ほどの強い個性を感じにくい場合もあります。
とはいえ、我々日本人からするとさまざまな日本の革靴ブランドに触れることができ、
その中には当然前衛的なブランドもあります。
私自身が革靴に初めて心を打たれたのは日本のブランドのとあるローファーであり、そのローファーは一般のローファーとは大きく異なるデザインでした。
国別の特徴は「理解の補助線」にすぎない
ここまで国ごとの傾向を書いてきましたが、
大切なのはここからです。
これらはあくまで、
- 文化を理解するための視点
- 靴の背景を知るための補助線
にすぎません。
実際には、さきほど日本の例も書きましたが
- イタリアでも堅実な靴はある
- イギリスでも軽快な靴はある
- 日本でも攻めたデザインは存在する
国名だけで靴の性格を決めつけることはできません。
あなたが買うのは「国」でも「ブランド」でもなく「一足」
結局のところ、
私たちが買うのは国名ではなく、一足の靴です。
大事なのは、
- このブランドは、どんな思想で靴を作っているのか
- このモデルは、何を優先して設計されているのか
- 自分は、そこに何を求めているのか
を理解すること。
国ごとの特徴は、
欲しい靴を探すための目安にはなりますが、それ以上でも、それ以下でもありません。
「イギリスだから」「イタリアだから」ではなく、
その一足が、どんな靴なのかを理解して選ぶ必要があります。
おわりに
国ごとの靴文化を知ることは、靴選びを楽しくしてくれます。
ただし、それはあくまで地図のようなもので、最終的に進む道を決めるのは、
あなた自身であり、あなたが選ぶその一足です。
ぜひ、当ブログを参考に、楽しみながら、あなたに最適なローファーを見つける一助になれますと幸いです。


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